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多重債務者は返しても返してもどんどん借金が膨れ上がっていき、悲惨な状況に追い込まれます。

生活していくのが精いっぱいで、とても債務整理にかかる費用など捻出できないという方が大半ではないでしょうか。

なんとか弁護士や司法書士などの専門家に依頼して申し立てを行い、取り立てを停止させられても数十万の費用はすぐには用意できない方も多いでしょう。

身内に頼ることができればいいのですが、多重債務者になった段階で、親兄弟はもちろん、友人からも借りれるだけ借りてしまい、もはや誰にも頼れない状況の人もいます。

法律事務所に借金について相談するだけで、多額の相談費を取られると思い込んでいませんか?

自分で債務整理の申し立てができればいいのですが、特に多重債務者の場合、混乱してどこからどれだけ借りているのかも分からなくなっているケースが多いので、必要な書類を揃えるだけでも一苦労、ということもあります。

そんな多重債務者たちを救済するためにできた機関の一つとして「日本司法支援センター(法テラス)」があります。

日本司法支援センターは、総合法律支援法に基づいて2006年4月に新設された法人です。

全国どこでも法的トラブルを解決するための情報やサービスを受けられる社会を目標に設立されました。愛称は、「法テラス」。

「法で社会を明るく照らしたい。」「陽当たりの良いテラスのように皆様が安心できる場所にしたい。」という思いから名付けられたそうです。

法テラスは国が設立した機関なので、完全に無料で債務整理の相談を受け付けています。

また、多重債務者などで、弁護士に依頼する費用も用意できない人に対しては、その費用の立て替えまでしてくれるそうです。

法テラスは、法的トラブルに苦しむ人たちに解決への道案内をする「総合案内所」のようなものです。

多重債務を含めた各法律トラブルのアドバイスを無料で提供しており、電話・面談・メールのうち好きな方法で誰でも相談することができます。

また、各都道府県に1箇所以上の地方支部が設けられています。

このほかにも、債務問題に強い専門家たちが連携し、多重債務に苦しむ人たちからの相談を無料で受けたりするなど、各地でさまざまな救済の取り組みがあります。

債務整理の専門家である弁護士と司法書士ですが、手続きのパートナーとしてどちらに相談すればいいか迷う方も多いのではないでしょうか。

簡単に言うと、借金が140万以下の場合弁護士と司法書士は共に代理人の権限を持ちますが、借金総額が140万を超えた場合、司法書士は債務者の代理人となることができません。

また、司法書士の訴訟代理権は簡易裁判所のみに限られており、それ以外の裁判所(地方裁判所など)では弁護士のみに訴訟代理権が認められ,司法書士は訴訟代理人になることはできません。

ただし、140万円以下か否かはすべての債権者の総債権額で判断されるのではなく、債権者ごとに判断するので注意が必要です。

さらに詳しく見ていくと、任意整理の場合、140万以下の借金総額の場合、弁護士と司法書士どちらに依頼しても手続き上あまり大した差異はありません。

しかし140万を超えると、簡易裁判所でなく地方裁判所に訴訟を提起することになります。
地方裁判所では原則として弁護士以外が訴訟代理人になることはできないため、貸金業者も弁護士に依頼せざるを得ず、弁護士費用がかかることから、地方裁判所では貸金業者も弁護士費用を抑えたいため、早期に和解が成立しやすくなるというメリットもあるようです。

次に自己破産や民事再生の場合、地方裁判所に申し立てを行う必要があることから、任意整理の場合と比べ手続きの手順が弁護士か司法書士かによって大きく変わってきます。

司法書士に依頼した場合、司法書士が訴訟代理人になることはできませんので、司法書士は書類作成のみを担当し、申し立ては債務者本人がやることになります。

よって、債務者が司法書士に債務整理を依頼した結果、任意整理でなく、自己破産や個人再生などの手続が必要となった場合には、改めて弁護士に依頼し直す必要が出てくることもあります。

一般に東京や大阪といった大都市圏では弁護士が多く、また東京地裁では破産手続きの場合、弁護士に依頼した場合のみ有効な即日面接などの制度があり、手続きも早く済むため、債務整理を弁護士に依頼するパターンが多いようです。

地方では弁護士の数が少ないため司法書士が手続きにあたるケースが多いです。
地方の場合裁判所も司法書士と直接交渉をすることに慣れているため、弁護士を通さなくともスムーズに手続きが進むことが多いようです。

債務整理手続きを行う上で気になるのが、手続きにかかる費用の問題だと思います。
サラ金からの取り立てで家計は火の車、という方も多いと思われますが、実際は弁護士や司法書士に相談すると、業者からの取り立てをストップさせてくれる受任通知の手続きをまず行ってくれるので、業者からの請求が停止した状態でなんとか債務整理にかかる費用を用意することになります。

さて、それでは債務整理の費用はいくらかかるのか、という話になりますが、これはその事務所につき金額がばらばらなのです。

一応目安として弁護士会法律相談センター(http://www.bengoshisoudan.com/consul/method.html)が公表している債務整理の費用を引用します。

任意整理手続き

1.着手金2万1000円(税込)×債権者数。最低5万2500円(税込)
(ただし、商工ローン業者は1社5万2500円(税込)。最低10万5000円(税込))
2.報酬金
a. 着手金と同額の成功報酬に下記減額報酬金と後記過払報酬金
b. 減額報酬金
(貸金業者主張元金と和解金額との差額の10.5%(税込))
c. 過払報酬金
(貸金業者から過払金の返還を受けたときは、過払金の2割相当額、別途消費税)
3.分割弁済金代理送金手数料は送金手数料を含めて1社1回1000円を上限

自己破産・免責手続き

1.着手金
a. 借金金額が1000万円以下の場合
10社以下   21万円(税込)以内
11社から15社まで   26万2500円(税込)以内
16社以上   31万5000円(税込)以内
b. 借金金額が1000万円を超える場合
債権者数にかぎらず42万円(税込)以内
2.報酬金
免責決定が得られた場合、上記着手金額と同額を上限として着手金とは別途成功報酬が必要となります。
※なお、破産・免責手続きは、同時廃止、少額管財手続きいずれも、別途、裁判所に対する申立費用(実費)として、1万円余が必要となります。さらに、少額管財の場合には、
この他に管財人費用として20万円(分割による積み立ても可)が必要となります。
以上の他、過払金返還を受けたときは、後記過払報酬金。

個人再生手続き

1.着手金
a. 住宅ローン特則なし   31万5000円(税込)以内
b. 住宅ローンの特則あり   42万円(税込)以内
2.報酬金
a. 債権者数が15社までで事案簡明な場合   21万円(税込)以内
b. 債権者数が15社までの場合   31万5000円(税込)以内
c. 債権者数が16社~30社の場合   42万円(税込)以内
d. 債権者数が31社以上の場合   52万5000円(税込)以内
3.分割弁済金代理送金手数料
送金手数料を含めて1社1回1000円を上限
以上の他、過払金返還を受けたときは、後記過払報酬金。

ちなみに自己破産を専門家の力を借りず自力で申し立てた場合の費用の目安は30000円と言われています。

一般的に最も費用がかからないのは専門家を通さないで手続きを行う特定調停です。

任意整理は比較的手続きも簡単で、債務者の負担も軽いものとなっています。
反面、元金を返済していかねばならない債務整理ですので、借金の総額が大きい場合には難しい手続きでもあります。

任意整理を行うときは、弁護士や司法書士などの専門家に依頼することが一般的です。
任意整理の手続きに必ずしも弁護士や司法書士を通さなければならない、という義務があるわけではないのですが、個人で直接債権者と交渉していくのはなかなか難しいため、専門家に依頼するパターンが多いようです。

では、任意整理のおおまかな手順を確認していきたいと思います。

1 弁護士、司法書士に相談
2 債権者へ「受任通知」を行う
3 利息制限法に基づき、借金の利息の再計算をする
4 返済計画をたてる
5 計画をもとに、債権者と交渉を行い、借金の整理案の合意を求める
6 債権者の合意を得る
7 合意内容に基づき、返済を開始

任意整理のメリットとしては、ローンを残し一部の借金だけを整理することができる、専門家に相談した後は取り立てをほぼ停止させることができる、業者との話し合いで手続きを進めるため、近隣の住民などに借金を知られることがない、裁判所を通さないので、時間的な拘束が少ないなどが挙げられます。

デメリットとしては、金融会社のブラックリストに載るため、数年間は新しくローンを組んだり、カードを作ったりすることができません。

また、保証人がいる場合、任意整理では保証人に対する取り立て禁止効果が適用されないため、取り立てが保証人のほうにいくことがあります。場合によっては、保証人も一緒に任意整理を受けた方がいいかもしれません。

利息は、利息制限法と出資法という2つの法律で決められています。
このうち利息制限法は年15%~20%と定められていますが、これを超えても罰則はありません。

それに対し、利息が出資法の年29.2%を超えると債権者は罰則を受けることになります。
よって、サラ金などの消費者金融はたいていの場合利息制限法以上、出資法以下の利息を設定しています。

任意整理の手続きでは、この差で借金の減額が可能になるのです。

特定調停は任意整理と似ていますが、専門家に依頼するのが一般的な任意整理と違い、裁判所を通すため最低限の費用しかかからない特定調停はいわば庶民のための救済制度です。

法律の知識がなくとも裁判所の調停委員が債権者と依頼人の間に立ち、債務整理の仲介を行ってくれます。

また手続きもそれほど難しくなく、任意整理よりも金額的な負担が少ない方法と言えます。

特定調停の大まかな手順を確認しましょう。

1 特定調停の申し立て
2 調停委員の選任
3 調停期日の決定
4 調停成立
5 返済の開始

特定調停で借金を返済していくことに決めたら、まず自分の債務総額や過払いが無いかチェックします。財産、収入、支出が分かるものを用意し、申立てのための書類を全て揃えましょう。

そして、特定調停申立書類を裁判所に提出します。
この書類により、債権者からの請求や取り立てを停止させることができます。

次に、裁判所が通常二名の調停委員を選出します。一般的に、有識者や弁護士などが選ばれることが多いです。

選任された調停委員と話し合い、今後の支払い額や回数、過払いについて話し合います。

簡易裁判所から呼び出しがあり、調停が始まります。債務者は業者と調停委員との交渉を見守ります。通常債務者が業者と直接顔を合わせることはないので安心してください。

裁判官と調停委員によって構成される調停委員会が、債務者と債権者の双方の意見を調整します。

スムーズに特定調停が成立すれば、以降は利息なしで借金を返済していけます。
不成立の場合はその理由を聞き、自分で解決するのが難しい場合は、もう一度債務整理の方法を検討することになるかもしれません。

調停で決めた期日から返済が始まります。特定調停で手続きする借金は通常3~5年ほどで完済できる見通しの、金額の比較的少ないケースです。

特定調停は任意整理と同じようにローンを残したまま借金を返済することができますし、
手続きのための費用をかなり抑えることができるメリットがあります。

ただし裁判所を通した手続きが必須になりますので、平日に2、3回裁判所に足を運ばなければなりません。この期日を仕事などの都合でずらすことはできません。

その他、特定調停が決定したとしても、その計画通りに借金を返済できない期間が長く続くと、給与を差し押さえられたりすることがあります。

民事再生は債務者の経済生活の再生を図ることに重きをおいており、自己破産のように一旦破産させてそこから再生させる事が目的ではなく、個人資産を維持したまま、再生を目指すことを目的に制度化されたものです。

民事再生は債務整理の中で比較的新しい法律で、個人、法人どちらも手続きできますが、ここでは個人のケースを想定して民事再生の手順を確認していきましょう。

民事再生の手続きの手順

1 弁護士、司法書士への相談
2 受任通知発送
3 債権内容の確認・利息制限法による引き直し計算、申立書類の作成
4 裁判所に民事再生の申し立てをする
5 裁判所により再生手続きが開始される
6 債権の届出、異議申出(債権者、債務者)
7 裁判所、再生委員による債権評価
8 財産目録作成、提出
9 再生計画案作成、提出
10 債権者による書面会議
11 裁判所による再生計画案認可決定が確定
12 再生計画案に基づき返済開始

見てお分かりの通り、任意整理や特定調停などと比べ手続きが煩雑なため、弁護士・司法書士などに依頼して協力を得るのが一般的です。

ちなみに債務整理による個人再生手続では、小規模個人再生と給与所得者等再生があります。

大まかな手続きの流れは同じですが、どちらを選択するかで再生計画決定後の負担が変わってきます。

他の債務整理と同じく、債権者が受任通知を受け取った時点で取り立ては停止します。

個人の民事再生には最低弁済基準が設けられています。
最低弁済基準とは、最低限、借金をしている債務者が返済する必要がある金額の事です。

この最低弁済基準は
 ・債権の総額が100万円未満の場合には、債権総額の金額
 ・債権の総額が300万円を超える場合には、300万円
など借金の金額によって変わってきます。

再生計画案はこの最低弁済基準を満たすものでなければなりません。
民事再生は3~5年で完済できる返済案を考えていくことになります。

民事再生のいいところは、借金の理由を問わない点(借金の理由がギャンブルでも手続きを行えます)、「住宅ローン特則」により、住宅を手放さずに済むところなどです。

反面デメリットは住宅ローン以外全ての債権者に対して手続きを行わなければならないので手続きする債権者を選べないことと、手続きが債務整理の中でもっとも複雑で期間も長くかかることです。

自己破産は借金自体を帳消しにできるという切り札的な手続きです。

自己破産したという事実が戸籍に残ったり、それを理由に会社を解雇されるということはありませんし、決して自己破産を怖がることはないのですが、やはり自己破産は債務整理としても最終手段であり、自己破産せずに借金を完済できるならそれに越したことはありません。

自己破産を含めた4つの債務整理方法は借金の状況、それぞれのケースによって、どの方法をとるのが最善かというのが変わってきます。

どんな状況にもオールマイティに対応できる債務整理というのは存在しないので、まず自分の置かれている状況を整理し、どの方法を選ぶのが適切かよく考えてみましょう。

・任意整理

任意整理は裁判所などの国の機関が関与しませんので、債務整理の中でも最も簡単で手続き自体も依頼人の負担が小さく、まず最初に検討したい債務整理です。

実際の手続きでは、司法書士もしくは弁護士が依頼人と債務者の間に入って話し合い、再計算した借金の元金について利息をカットした形で3年程度の期間で返済をしていく借金整理の方法です。

利息制限法で定められている利息を超えて支払った分については払いすぎた利息も元金にあたるとして借金の元金自体を減額できることもあります。

任意整理のメリットとして、今組んでいて返済が可能なローンの分を除いて借金を返済していくことができますし、自己破産と違い、車や不動産などの資産を手放さなくてもいい点が挙げられます。

・特定調停

特定調停は簡単に言うと、弁護士や司法書士の代わりに裁判所が債権者と債務者の間に入った任意整理です。

特定調停も任意整理と同じようにローンの分を除いて返済していくことができますし、不動産などの資産を手放さなくてもよい点がメリットです。

特定調停の場合専門家に依頼する必要がないため手続きの費用が抑えられますが、債権者からの取り立てに対し自分で対処していかなければならないこと、裁判所に何度も足を運ばねばならないデメリットもあります。

また、特定調停の場合、最終的に債権者と和解が成立しないと、利息を全てつけた状態で借金を返済していくことになります。

・民事再生

民事再生は住宅ローンを含めた多重債務に苦しむ個人に対して、マイホームを維持しながら経済的に立ち直るための法的な債務整理の方法として施行された法律です。

任意整理や特定調停は借金の元金は返済していかなくてはならないので、実際に住宅ローンを返済しながら借金を完済することは難しいと言われています。

民事再生の場合、住宅ローン以外の借金はかなりの額を減額することができますので、住宅ローンを返済しながら余裕をもって残りの借金を返済していくことができるのがメリットです。

また、自己破産のように免責不許可事由がありませんので、もし借金を作った理由がギャンブルだったとしても、民事再生を利用して手続きを行うことが可能です。

デメリットとしては他の手続きに比べ複雑で期間も長くかかることが挙げられます。
また民事再生は任意調停や特定調停と比べ、手続きできる債務がかなり限られてきます。

自己破産は借金そのものを帳消しにできる手続きですが、実際に借金の返済が免除されるまでには、自己破産の申し立て、免責の申し立ての二つの申し立てをし、両方の申し立てが認められて初めて、正式に自己破産が行えると言えます。

自己破産の際の大まかな流れは、以下のようになります。

1 自己破産の申し立て
2 審問
3 破産宣告
4 破産管財人の選任
5 債権者集会の開催
6 債権の確定
7 債権者への配当
8 免責申し立て
9 審尋
10 免責決定、もしくは免責不許可

自己破産の手続きを選択したら、まず自己破産の申し立てを裁判所に行いましょう。
この手続きは自分で必要な書類を揃えねばならないため、以前は弁護士、司法書士に
依頼する方も多かったのですが、最近は手続きが簡略化されたため、自分で申し立てる方も増えてきたようです。

自己破産申告後、早くて1か月ほどで、審問が行われます。
審問は弁護士を代理人とすることもできます。

審問の結果、裁判所から申し立てが認められた場合、破産宣告を受けることができます。

この時点で、支払いを行えない状態であると裁判所から認められたことになります。

自己破産の申し立てをした人にある程度の財産がある場合、裁判所によって、破産管財人が選任されます。

家財道具や現金は99万円まで、その他20万円以下の財産は、対象外です。
多くの方の場合、管財人が選任されず財産がないことを確認するだけとなります。

破産管財人が選任された場合、債権者集会を開かれ、債権者に対して現金が配当として配分されます。

免責の申し立てが行えるのは、破産宣告を受けてからになります。
自己破産を宣告された破産者は職業上の規制などいくつかの不利益をうけることになりますが、免責決定がなされることで一切の借金の支払い義務も資格制限もなくなります。
免責の申し立てを行なうと、審尋が行なわれた後、免責決定を受ける事になります。

審問には弁護士が同行し、裁判所からの質問を受けることとなります。
免責決定を受けることができると、晴れて借金が帳消しになります。

自己破産は最も知名度のある債務整理方法です。借金をしたことのない方でも、自己破産という言葉はご存じではないでしょうか?

自己破産のメリットはなんといっても借金そのものをなくしてしまえることです。
また、自己破産をするのでなく、自己破産の申し立てをするだけでも、明らかに法律から逸脱した厳しい取り立てを規制することができます。

まず、自己破産申し立てを裁判所にすることで自己破産申し立ての受理票を受け取ります。この受理票の番号と、自己破産申し立てをしたことを取り立て業者に伝えることで、違法な取り立てをやめさせることができるのです。

自己破産申し立て後の取り立ては法律的に禁止されています。

借金自体を「なかったこと」にできるわけですから、メリットばかりに見える自己破産ですが、もちろんいくつか制約、デメリットもあります。

自己破産をためらう最大の理由は、本人が自己破産をしたとしても、保証人がいた場合、
債権者からその保証人のほうに請求がいくことでしょう。

人に迷惑をかけてしまうわけですから、ためらうのも当たり前ですね。

自己破産すると決断した場合、その旨を事前に必ず保証人の方に伝えましょう。
この報告義務を怠ると、最悪の場合、保証人までも自己破産まで追い込んでしまうことがあります。返済を分割払いにしてもらうなど、保証人の救済措置も色々ありますので、どのように返済していくか保証人の方ともじっくり話し合うことが大切です。

その他デメリットとしては金融機関のブラックリストに登録され、5~7年間ローンを組めないことがあります。

しかし借金を抱えていては遅かれ早かれブラックリストに載ってしまい、借入のできない状態に陥ることは明白です。7年間を借金癖の矯正期間と思い、プラスに考えていきましょう。

さらに高価な財産を処分される、警察官などのいくつかの職に就くことを制限される、ということもありますが、家財道具など生活に必要な財産は取り上げられることはありませんし、後者はたった3か月位の間だけです。

なお自己破産を理由に会社を解雇される、戸籍に自己破産した事実が残ってしまう、子供の就職や結婚などで差別される、ということは根も葉もない噂です。

自己破産は正当な権利ですので、決して怖がる必要はありません。
ですが、債務整理には他にもいくつか方法がありますので、自己破産の手続きをとる前に、他の方法も検討してみるとよいと思います。

1999年に自殺者が3万人を突破して以来、自殺者の数は一向に減る気配を見せません。

警察庁の発表している自殺の概要資料によると、2008年度の自殺件数は32249人ですが、自殺原因の第三位、22.4%を占めている経済生活問題。全7404件のうち、1733人が多重債務に耐えかねての自殺です。

多重債務者とは、サラ金などから多くの借金をしてしまって、返済が現実的に不可能な状態に陥ってしまった人のことを言います。

たとえば、毎月20万借金返済に支払わなくてはいけないのに、毎月のお給料が20万の場合、お給料の全てを返済にあててしまうと生活がなりたたないため、また他の業者に借金をすることになります。これを繰り返すうちにどんどん借金が膨らみ、やがて混乱して自分がどこからどれだけ借りているのかも分からなくなってしまうのです。

借金によって大切な命が失われることは決してあってならないことです。

多額の借金があっても、正式な手続きをとり、債務整理をすれば、必ず解決することができます。

債務整理とは、弁護士や司法書士と個人、業者が任意で話し合いをして、借金の返済プランを立てていくことです。債務整理は言い換えれば借金整理とも呼べます。法律を使い、借金を整理するのです。

債務整理で一番有名なのは自己破産でしょう。多額の借金を抱えている方の中には今現在自分が非常に苦しい状況なのに、自己破産をすることを人生の終わりのように考えてしまい、専門家に相談することもためらっている方も多いようです。

しかし、債務整理は人生の終わりなどではなく、再生させるチャンスなのです。

それに、債務整理は自己破産以外にもいくつか方法があります。自己破産以外の債務整理方法として、「任意整理」「特定調停」「個人民事再生法」の三つが挙げられます。
どの方法が適しているかはケースによって異なるので、まず自分の置かれている状況を整理し、債務を一切なくして一からやり直すか、あるいは借金は完済するつもりなのかなど考えてみましょう。

専門家に相談すると高額な相談料をとられるのではないか、と心配なさる方もいらっしゃると思いますが、現在は弁護士、司法書士間で多重債務者救済のネットワークもできていますし、相談料を無料にしているところもあります。
夜逃げ、自殺は根本的な借金の解決策にはなりません。家族を悲しませないためにも、、まずは債務整理について学び、借金問題の解決を目指しましょう。